キリギリスはなぜ死んだ?

社会に、いらね。と言われた奴の最後のあがき

嫌われ者の意外な一面。ヴィンセントが教えてくれた事


ヴィンセントが教えてくれたこと(字幕版)(予告編)

一方的な偏見だが、ニートや社会不適合者は

「年の離れた友情」「嫌われ者」というか、「孤独な男」

というキーワードの作品に惹きつけられる。

世間に馴染めず、疎まれているところが共感しやすいのだろうか。

それを考えたら、この作品は、僕のストライクゾーンにクリティカルヒットした。

ポケモンで言えば、「急所に当たった!」「効果は抜群だ!」状態である。

主演はやさぐれたおっさん界の大御所。ビル・マーレイ。とか

言ってみたものの、ぶっちゃけ、ゴーストバスターズに出てた人って

情報しか頭にない。

 

しかし、ヴィンセント・マッケンナのキャラクターは、彼で良かった。

と思う。もし、これが、クリント・イーストウッドだったら

まるで違う映画になってしまっただろう。

あらすじ

1日の大半をバーや競馬場ですごし、自宅を担保に銀行から借金をして暮らす

ヴィンセント。

その金もギャンブルや酒に費やし、融資もとっくに限度額に達しており

売春を頼む妊婦のロシア人ストリッパー、ダカへの代金の支払いも、

高利貸しのズッコへの返済も踏み倒す始末。

 

そんな彼の隣に、マギーとその息子、オリバーが引っ越してくる。

とにかく口汚いヴィンセントに、最初は嫌悪感を抱く二人。

 

しかし、シングルマザーであるマギーは生活費やオリバーの学費を稼ぐために

夜遅くまで働かなければならない。

仕方なくヴィンセントに子守を頼むが、1時間12ドルなら面倒を見ると言われる。

ベビーシッターを雇えない。と嘆くマギーを見かねたヴィンセントは

食事なしなら、1時間11ドルにする。と折れる。

背に腹は変えられない。しょうがなく、預けられたオリバー。

 

最初はギクシャクしていた二人だったが、イジめられっ子のオリバーに

必殺技を伝授したり、話しているうちに、オリバーはヴィンセントを

面白い爺さんと思うようになる。

 

聖人ってどんな人?

ある日、学校から聖人とはどんな人のことをいうのか?

という宿題を出されたオリバー。

「取り合えず、自分の近くにいる、この人は偉いなぁ〜と思った人の事を

調べてみよう。」

との先生のアドバイス

何を血迷ったのかヴィンセントを選んでしまう。

 

そして、オリバーはヴィンセントの周りの人々に彼の過去を聞いていくうちに

意外な一面がある事を知る。

 

聖人とはなにか?人という字がついている限り

いや、人である限り、弱点がないわけもない。

一見素晴らしく見える人でも、なにか狂気にみちた側面があるのなら

一見クズに見えるジジィでも、人間として、素晴らしい一面がある。

そんなメッセージを感じる

楽める。という意味で人間のバックボーンを考えさせる作品だ。