キリギリスはなぜ死んだ?

社会に、いらね。と言われた奴の最後のあがき

電車から見る人生色々

不特定多数の人々を一つの箱に乗せて走る乗り物。電車。

数十分の間とはいえ、赤の他人との時間の共有の中で

人間の面白さと奥深さを思い知らされる

 

電車でgo!

河川敷に行こうとした。平日なら人は滅多にいない。

たまに釣り人を見かけるけど

経験上「なにか用事のある人」は絡んでこない

これからどうなるか分からないけど、今の所は安全だ。

問題は屋外だと大気の機嫌に振り回される事。

向かう先の空には、水分をたっぷり吸った綿のような雲で満たされていた。

猶予の許すまでと思っていたけど、

雨の降る独特の雰囲気が周囲を満たしていた。

無理だ。帰ろう。僕にしてはナイスな判断。

家への道すがら、雨粒が数滴落ちてきた。

 

自分の部屋に着いたものの、消化不良のような気分。

このままでは終われない。しかし、外は土砂降りだ。

自転車では・・・・行けない事もない。

その昔、「電波少年」というテレビ番組で

「どけち主婦、船子さん」というキャラが

全国のスーパーのチラシを集め、1円でも安かった場合、

全国のどこだろうと駆けつける。という企画。

暴風雨の迫る中、北海道までチャリで走る彼女の姿は、

テレビの演出かどうかに関わらず胸を熱くさせた。

 

僕にそんなガッツはない。

久しぶりに電車に乗る事にした。

電車賃も往復を考えると一ヶ月一回だけ

 せっかくなので、いつもは行けない所、新宿か渋谷。

理由はない。あえて言うなら、人混みの中にいると、少し安心するからかな。

 

車内でベビーカーに乗った赤ん坊をよく見ている女性を見かけた。

なんとなく、微笑ましかった。

電車の中でも、クロッキーぐらいはできる。

まぁ、被写体になる人に怒られるかは、運次第。

僕の隣に座った親子連れに褒められた。

一応断っておくと、僕の落書きは見る人が見ればごみくず以下だ。

でも、まだそれを認められない自分もいる。

例えば、絵を書いて飯を食っているような人に

「お前の書いているのは、自己満足の落書きだよ」

とちゃんと言われれば、僕は諦められるかもしれない。

その方が、楽でいいか。

 

そんな事を考えている間に目的地へ着いた。

まずは新宿。数えるほどしか行かないからか、田舎者だからか

わからないけど、未だに何番の出口からなら目的の場所へ

つけるのかわからない。

次は渋谷。といっても、有名なスクランブル交差点のツタヤしかわからない

スマホ欲しい。ネットで調べて、行きたい所を探せるのに。

 

 

数時間さまようと疲れてしまった。

どちらも都会で

一見何でもあるように見えるけど、地元の方が便利だと

感じてしまうのは、勝手のわからないせいだろうか。

しかし、楽しかったのも事実。気がつくと、外は真っ暗だった。

早く帰って、炊飯器のボタンを押さなければ。

 

自転車だったら、泣きそうになっていたけど、今日は文明の利器に頼れる。

ホームで次の電車を待っていた。こないな。

五分遅れのアナウンス。舌打ち。

たった五分でも苛立っている自分に驚いた。

お客様に慣れすぎた弊害だ。

 

やっとこさ現れた帰り道へ行く車両。

行きと違って、あまりの客の多さに驚いた。

そうか。今日は平日だ。都会で仕事している人は

毎日こんな拷問に耐えているのか。

ある意味、装甲車で戦地に運ばれる兵隊に近い。

 

弾丸は飛んでこない車両のドアが閉まる。「割り込み乗車はおやめください」

そんなアナウンスを切り裂くように、閉まりかけのドアに、頭が割り込んできた。

 

「あの、乗ります。乗りますぅ。」

そう言いながら入ってきたのは、70代くらいのババァだった。

誰も助けようとしない。まぁ悪いのはババァだけど。

仕事を全うしようとする扉をものともせず、体を滑り込ませるババァ。

まるで、ゾンビ映画のような光景だ。

そのか細い胴体のどこにそんなパワーがあるのかわからないけど、

ババァは乗車を完了した。かなりのガッツである。

そして、僕の目の前には、加齢臭と香水の入り混じった

なんとも言えない匂いが広がるのだった。

 

幸い、ババァは二駅後に降りた。それなら、待っていたら

良かったのでは・・・・

 

僕のパーソナルスペースまで後数駅と行った所。

ドアが開くと、作務衣をきた男性が、一礼をして入ってきた。

また濃いキャラが現れたな。

どこか、和泉元彌に似ている。よし、君には家元となずけよう。

心苦しい事に、家元とはそのキャラを把握仕切る前に別れた。

見慣れた駅のホームに立つと、どこよりも安心する。

 

人間て面白。

 

一人で移動しているときはわからないけど、社会には色んな人がいる。

電車はそれを手っ取り早く知る事のできる乗り物だ。

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