キリギリスはなぜ死んだ?

社会に、いらね。と言われた奴の最後のあがき

スーパースター

誰でも知っている俳優が自殺する。

 

誰もが死ぬ。しかし早すぎる。同い年だというのも、ニュースで知った。

 

俳優だけでなく、歌手としてもヒットし新しい曲もでるはずだったのに。

 

仕事がなくなったわけでもなく、人気もあった人間でも、死にたくなるのか。

 

 人生というのは、お金があっても、人気があっても幸せになれないのか。

 

ならば、金もなく、女もいない、仕事も安定したレールにすら乗れず

 

誰からも認められない人生は、もうゲームオーバーではないか。

 

ただ人間らしい暮らしがしたい。明日に不安なく、明日が来るのを呪わない人生

 

人らしい生き方がしたいと涙ぐむのは間違いなのか。

 

人間らしいどういう意味なのか?

 

人生の義務に縛り付けられている時間に考えずにはいられない

 

でも答えはないまま、人生が終わっていくことも

 

誰に言われるでもなくわかっている。

 

ちょうど、数時間前までとは違い、黒が濃くなった雲に覆われた空を見上げながら

 

降るだろうな。と思うのと同じように。

 

もしかしたら、考える必要のない問いかもしれない。

 

ならばなぜ、歩いている時も便器で踏ん張っている時も、眠らなければならない。と

 

言い聞かせて、天井を見つめている時も、なぜ生きている?。という声が

 

どこからともなく飛んでくるのか。心の病気か。

 

なんとかクリニックで薬をもらえばいいのか?

 

医者から、その薬は強すぎてもう出せません。と断られ生きる価値を失って

 

この世からいなくなってしまった人の話は、もう聞き飽きてしまった。

 

人間一人が苦しみに耐え切れなくなって、いなくなったことを

 

一大事だとすら思えないのは、心の病気だと思う。みんなはそうじゃないよな?

 

でも、みんな平気な顔で生きている。もしかしたら、この世界のゆがみをきにしているのは、頭がおかしいからなのか

 

それから数日、今度はALS(全身の筋肉が徐々に固まって最後は死に至る病気)の

 

人が、SNSで知り合った男二人に自分の命を終わられてくれるように頼み、薬を

 

打たせてなくなる。という、世間では事件と呼ばれる出来事が起こった。

 

男たちの銀行口座には、100万円程のお金が振り込まれていたそうだ。

 

偏見の目から言わせてもらえば、やはり、100万円程のお金を払える金もちであって

も、体が動かない不自由を抱えていると、生きていたいとは思えなかったのだろうか

 

少し前なら、本人が死にたいのだから勝手にやらせておけばいい。ですませて

 

いたけれど、今は、たとえ寝たきりになろうと、

 

体が動かなくなろうと、その人生を楽しく生きている人はいる。難病をわずらっていよ

うとも、人の価値観は人それぞれだ。体が動かないから不幸だ。と決めつけてはいけな

 

い。もちろん、あの人は生きていたいのに、あなたが死にたいのはおかしい。という、

生きることのおしつけをするのはいけない。

 

持っているものや、立場や、貯金の金額では、人生は計れない。それはわかる。

 

もちろん、人の幸せはお金じゃない。なんて、キレイ事を言いたくはない。

 

お金がない身分から言わせてもらうと、金の心配をしなくていいと言うのは

 

最低限で、それプラスアルファの生きている価値を見出せるか。は

 

誰かが与えてくれるものでも教えてくれるものではなくて選び取るしかない。

 

今回の出来事は、この国で生きる全ての人々が、考えていかなければならないことで

 

少なくとも、夕方のニュースで、グルメリポートのついでに紹介されてたり、

 

ワイドショーで、犯人の生い立ちやら、嘱託殺人を依頼した人の近所付き合いとかを

 

リポーターが聞いて回り

 

それをスタジオの芸能人が、あーでもない。こーでもない。と言い合って行くうちに

 

みんながあきてしまい、3ヶ月後には誰も覚えていない。なんてことになってはいけな

い。そうこうしている間にも死ねないから生きているだけの人々と、人の生きる価値を

 

自分の物差しで決めている人々の死のマッチングはおこっていく

 

こういう出来事は、またかというレベルで増えていくだろう。

 

人間が生きるとは?その問いをめんどくさがり

 

勉強していれば、仕事していれば、お金があれば、友達がいれば、異性がいれば・・・

 

人のせいにすることで、心に開いた虚しさを埋められた気分になっていたけれど

それは違う。

 

光る星を見上げていても、星の事情を考えている人は見かけない

 

果てのない真っ暗闇で、常に光り続ける星はは、どこまでも孤独だ。

 

 もうスーパースターを夢見るのはやめて前を向いて歩き出そう。

 

地べたを這うスタイルこそが、凡人らしい。

 

これまで諦めていた理不尽を受け入れず、おかしいと声をあげた先に

 

自分にしかない、人間らしい生き方があるんだ。