キリギリスはなぜ死んだ?

誰の目にも止まらない人々の、言葉に出来ない魂の叫びを綴るブログ。

生き続けても、死んだとしても、後悔するだろう。

テレビでW杯の予選をやっていたらしい。隣に住んでいる家族が

惜しい。とかあぁ〜とか叫んでる。

 

ぼろアパートの薄い壁の向こうにいるこちらは

人がいるとは思えない静けさだから、よく響く。

うるさくはない。でもチャンネルを合わせはしない。

 

僕の見た試合に限って負けるように感じる。

だったら見ないほうがいいのでは。

正直、W杯の時だけサッカーファンを気取るニワカだし。

とは言いつつも、次の日に

「昨日のサッカーすごかったよな」とか言われたら

見ればよかった。と悔しがる。

まぁ、今はそんな事を言ってくるクラスメイトも同僚もいないけど。

 

あーしておけば。こーしておけば。と言う奴は

行動しても、しなくても、後悔する。

 

もうたくさんだ。

天気予報の寒くなる。との脅しの割に、体感はそうでもない。

この分ならギリ耐えられる。

今日をやり過ごせば、明日は曇りくらいにはなるかもしれない。

天気は雨ばかり続かないのだ。

これを我が国では、皮算用という。

 

明日は電車に乗らなくても、外に行ける。はず。

そう自分に言い聞かせて、残り4枚になった千円札でスイカをチャージする。

図書館で小説を読んでいる。意味はわからないけど、活字を頭の中で

呟いている限り、嫌な考えは浮かんでこない。

ソシャゲをしている時よりも、許されている。気がした。

どっちにしても、時間の無駄である事は変わらない。

ここは現実だ。 金にならない行動は全て無駄である。

 

閉館のチャイムに急かされ、安らぎの空間を出る。

出先と比べれば、雨は小ぶりになっていた。

往復の電車賃はおしい。1000円も入れたのに

改札の表示は800円になっていた。

携帯の電池と同じだ。三個あるバッテリー

残り二個になっただけであせる。

 

 家まではわずか三駅。無理な距離ではない。

電車賃の節約と運動不足解消のために線路沿いを

歩いた。

 

歩きづらい安物の靴で、靴づれすると思ったし、疲れると覚悟した

距離も、心配するほどではなかった。

問題は道中で頭の中にわいてくる嫌な考え。

 

いつまでこんな事を続けるつもりだ。

まさか一生続くとでも。

お前は終わってる。自分でわかってる。と言うけれど

それは言い訳だよ。

 

お前はわかってない。ただの一つも。

30過ぎて本当の絶望を味わい、ハロワにでもすがりついて

職員に言われるまで待ってるつもりか。

 自虐するのと、他人に思い知らされるのでは、違からねぇ。

 

死ねよ。

 

死んじゃえよ。

 

今すぐに。

 

世間代表のもう一人の僕になじられる。

ごまかすための画期的方法を見つけた。

歩く事に集中するのだ。

どうすれば疲れないか。己の体の動き。

足の動かし方から、重心の置き場所。

靴づれしないように気をつける。

それだけを考えて、歩く。

 

何十分かかって、家に着いた。

ただいま。といっても、開けてくれる人のいないドア。

バックから鍵を取り出そうとした。

しまったはずの場所に、あるはずの物がなかった。

なんだ・・・と・・・・

愛染隊長を頻繁にネタにしているけど

僕自身、ブリーチはルキア奪還編以降詳しくない。

個人的には、8巻あたりの「ボハハハハ!」のおっさんが出てきた頃は

面白かった。

ぶっちゃけ、必殺技で墨を飛ばす主人公と13kmのあいつ以外、よく分からない。

 

斬魄刀の能力にはめられたわけではなく、純粋な勘違い。

家を出るときは、まだ親がいて、戸締りをしてくれた。

それでバックに入れたと錯覚してしまったわけだ。

 

親の帰宅 は少なくとも2時間後。

それまで家には入れない。

 

ほらみろ。余裕こいてたから、こうなるのさ。

もう一人の僕!に馬鹿にされながら、道を引き返す。

ここだ!と言わんばかりに、雨が強くなっていく。

水たまりを踏んで、跳ね返った雨水を吸ったズボンの裾から

寒さとともに、嫌な物が染み入ってくる。

 

昼間ならどうも思わない路地。

あの暗さをどう伝えたらいいんだろう。

僕の頭の中にある、この気味の悪い物の正体をどう伝えたらいんだろう。

伝えたところで他人に何がわかる。言うのだろう。

何が変わる。と言うのだろう。

 

角を曲がったところにある、こじんまりとした神社。

働いていた頃は、雨の日も風の日も、朝、夕、必ず感謝していた。

 

久しぶりにお参りしてみる。小銭を投げつけ、何か願いを言おうとしたとき

言いようのない悲しみが襲いかかってきた。

そのまま、賽銭箱の前でしゃがみこむ。

 

なんで僕がこんな目に。

例えば、ギャンブルや、アルコール依存とかいう理由なら

納得できたかもしれない。

 

なんで僕が。どうしてこんな目に。

今まで真面目に生きてきたのに。このザマはなんだ。

 

なんなんだ。どうして僕なんだ。

 

あなたのお叱りはもっともだ。

みんな辛い。でも生きている。愚痴なんてはいてる場合じゃない。

前を向け。立ち上がれ。

 

そんな事わかってる。だからこそ、声にならない叫びを上げている。

理由は分からない。立てない。

 

とうとう、神にまで、僕は頑張ったんです。アピールを始めたか。

その程度のポーズで何が変わる。恥ずかしくないの。

 

よくわかってらっしゃる。なら、僕の望みはお見通しだろ。

なぜ殺してくれないんだい。

 

どれだけの時間。そうしていたか分からない。

こんなところを警官に見られでもしてみろ。職質なんてされたら。

 

 

世間への羞恥でなんとか立ち上がる。その気力を働く事にいかせよ。

とことんバカだねぇ。君は。

 

目的地について、一息つこうとしたけど、親子連れやカップル。

僕の隣にいるのに、どこか別の国でもいるかのように幸せそうな人々。

や、

ツイッターでバカをやらかしそうな

見るからに知能の低そうなガキどもの「俺将来ニートになりたい」

談義がちらつき、居心地が悪かった。

 

数時間後、留守電を入れた親の携帯からの、帰宅しましたという

折り返し電話。

 

大丈夫。今日は雨だから気分が落ち込んだだけさ。

雨の日ばかりじゃない。いつから晴れる日はくる。

大丈夫さ。大丈夫。

 

そう思って見ていた天気予報。

 

「明日は1日雨が降り続き、今日よりも気温が下がるでしょう。

今期一番の冷え込みになります」

 

「天気の停滞はこのまま続き、寒さは長引くでしょう。」

 

風呂に入る。といい、ドアを閉める。

こういうのは前にもあったな。だから言ったろ。

この峠を越えれば、安寧がくる。希望はある。

そう言い聞かせて、いったい何を手に入れた。

たどり着いたこの場所に何があったの。

ただ負荷が上がっていくだけじゃない。

 

 

自分は狂人じゃない。と思っていたけど、現実は甘くなかった。

僕の口から出た叫びが風呂場いっぱいに響いた。

 

「神よ!もうたくさんだ!」

 

お前さえいなければ。

 運動も勉強もできなかった僕は、体育の授業で試合をするときの

メンバーわけで必ず最後まで残った。

 

運動のできるやつがリーダーになって、どちらがお荷物を引き受けるか。を見ているのは辛かった。

 

お前さえいなければ勝てたのに。よく言われたな。

 

 

 

臭い。きもい。学校くんな。お前さえいなければ。やる気ないなら帰れ。

他のやつならもっと仕事できる。

 

僕だって好きでこの世にいるわけじゃない。いるわけじゃないさ。

 

冷静に考えると、 僕は天国には行けない。その資格がない。

もし、今、いなくなっても、

地獄の責め苦を受けながら、僕が生きているときには、絶対にありえなかった

幸せな世界を見上げて

 

「あぁ。生きていれば良かったなぁ。」と呟くのだろう。