キリギリスはなぜ死んだ?

社会に、いらね。と言われた奴の最後のあがき

コロナ

ちょうど4月の半ば、職場で熱っぽくなって体温を測ると37度だった。

慌てて本社に電話。担当者不在で連絡とれず。頭が疲れて余裕がない。

とりあえず病院に行かなくては。いったいどうやって?もしコロナだったら?

人にうつしたらどうしよう・・・何もわからない。ネットで検索すると

厚生労働省のホームページ、保健所に電話してね。電話番号を打ち込む。

担当者は言った

「公共機関を使わずに家に帰って、4日間寝ててちょーだいな。

 そのあと病院いって、それでも熱が出るようなら、保健所きて、よろ」

どうやって帰れと?電車もバスも使わずに?歩いて帰れとでも?

仕方なく電車を使う。

駅の改札、トイレ、車両を待つホーム、

いつもなんとも思わなかった全てが怖い。

この日ほど人がこわかったことはない。

この日ほど心細かった日はない。

 もし、これが映画の序盤なら、徐々に目が血走ってきて、突然向かいの客に

襲いかかるのだろう。ウィルスといえばだいたいゾンビになるもんだけど

目に見えないウィルスは、ゾンビよりもずっと怖い。

もし他人にうつしてしまったら?他の人に迷惑をかけるのは嫌だ。

家に着いてとりあえず寝よう。と思ったら 

本社から電話、熱がある。だるいと言ったら

その熱があるってのが怖いんだけどとのこと

誰のせいだと思ってんだよ。

それから4日後、病院にいったら

「特に肺炎とかではないね。多分過労的なやつだね。寝てればいいよ」

この4日はなんだったんだろう。

自粛、自衛、他人に頼るな。

自分でなんとかしろ。

どうしてみんな平気でいられるのか。

コロナなど関係なく、この国の人々は、一種の病気なのかもしれない。