だんご虫
ミシッという音がして今踏んだ場所を見てみる。
人が通らない公園の境目、白いコンクリートブロッグに
目立つ浅黒いシミができていて、触覚だけがうねうねと動いている。
数センチ先を見ると、危険を感じたのだろう。
数匹がその場で丸まっていた。
しかし、ここを通らなければ仕事にならない。
足に流れる気持ちの悪い感触を気にしないように歩く。
「誰の邪魔もせず、誰の迷惑にもならない場所でじっとしていたのに。」
向こうはただの虫なので、そんなことは思っていないだろうけど
ネットの隅で、誰の目にも触れないように、少なくとも、読んでも薬にはならない
ブログを書いている者としては、ただ気持ち悪いで切り捨てられない人情がある。
どんなに目立たないようにしていても、殴りかかってくる奴はいるものだ。
傷つかないように、押し黙って耐えている。殴り返す力なんてないから
それにしても、なぜ彼らはこんな陰気な場所に集まってくるのか。
フォルムが湿っぽいからか、湿っぽい場所に集まった結果
陰気なフォルムになったのか
いずれにしても、どうしてこんな気持ちの悪いフォルムになったのか。
いや、気持ちの悪いというのは、もしかしたら失礼かもしれない。
この世の中にはマニアというものがいて、彼らをかわいいとペットにする人も
いると聞く。一時期はダイオウグソクムシという、30センチはある深海魚
(魚ではない・・・・か)が大人気だった。らしい。
でかいだんご虫を愛でる感性を理解することはできないが、
キモいと言われた奴でも受け入れてもらえる場所があるという世界の広さを感じながら
ここが硬くて冷たいコンクリートではなく、
柔らかい土だったら踏んでも問題はないだろうと思った。